外出自粛中に聴いてほしいシリーズ③ DAS:VASSER『シンクロ』
みなさんお元気ですか?(MASCHERAのmichiのめちゃくちゃ爽やかな煽りの真似)
毎日外出を制限されて辛いところですが、幸い日本には90年代ヴィジュアル系という神の文化があり、あまりにも名曲が多すぎて聴くのに忙しく、非常に充実した引きこもり生活を送っています。
本日ご紹介したいCDはこちら……†
DAS:VASSER『シンクロ』
1. 生贄
2. ウソツキ
3. 白い君、黒い月
4. ダンディズム
5. トラウマ
7. AURORA
1997年結成のバンド、DAS:VASSERの2000年作アルバム。
DAS:VASSERといえばMatinaに所属していたコテ系のバンドとして有名ですが、この作品はMatina離脱直前の過渡期的な作品です。
メンバーがのちにJILSやWaiveに加入しているあたり、そちらの路線に向かいたかったのでしょう。
「DAS:VASSERはボーカルが音痴なバンド」として、残-ZAN-念なIMAGEが先行している気がします。
食わず嫌いされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
1. 生贄
1曲目はお約束の曲数稼ぎSE。
明らかに打ち込みのドラムと、同じリフをループするベース主体の伴奏に何かの曲を逆再生していると思しきボーカルが鳴り響きます。
特に面白みはないです。
2. ウソツキ
いかにもコテ系、といった感じのハードな楽曲。
展開はライブのノリを重視しているであろう作りですが、ザクザク刻むメインリフがかなりカッコいいので聴いてて退屈はしないです。
シャウトを畳み掛けた後に「ウソツキ……」と呟いてからひと回しメインリフを奏でる後奏も好きです。
3. 白い君、黒い月
超超超超超超超超超超超超超超超超超超超超超超超名曲!!!!!!!!!
この曲を紹介したいがためだけにこの記事を書いているところがあります。
メロディアス疾走ナンバーで、まさに王道。
ボーカルは音を外しがちで、高音もキツそうに歌いますが、それすら味に変えてしまうほどの哀愁漂う切ない美メロによって涙が止まりません。
ラストサビの転調の無理矢理さも2000年代初頭のヴィジュアル系って感じで大好きなんですよね。
一生のお願いだから聴いてほしい。
もし気に入らなかったら桜の満開の木の下に埋めてもらっても構わないよ!
4. ダンディズム
音楽性的に、Matina離脱を予感させるハードロックナンバー。
若干PIERROTっぽさを感じるグルーヴ感がたまらないですね。
前曲が名曲すぎるので埋もれがちなところがあるかもしれません。
5. トラウマ
イントロからAメロにかけて、ゆったりとした物静かな雰囲気で、音作りもシンプルなため、どうしてもvo.の響兵氏の音痴っぷりが目立ってしまいますね。
ただ、一度サビに突入した後の盛り上がり方はヤバいです。
おたくだからこの緩急が大好きなんですよね。
がんばって高音を歌おうとしているのでとても苦しそうですが、それによって余計切ない歌詞に感情がこもっている感じがして涙が溢れる。
『白い君、黒い月』と並ぶこのアルバムの目玉的楽曲と言えるでしょう。
後期黒夢を彷彿とさせるパンクな作品。
リフやギターソロがかっこいいのですが、メロディのフックはやや弱い気がしますね。
ラストサビの伴奏が96年ぐらいのLUNA SEAみを感じるのは僕だけでしょうか。
7. AURORA
1999年作『ー』収録の曲の再録です。
以前のテイクに比べると演奏面においてかなりスキルアップし、壮大な世界観が展開されていますが、歌唱力がやや追いつかなかった……といった感じ。
他のコテ系バンドにはない雰囲気で、メロディも悪くないので、こういった楽曲におけるボーカルの力量って大事だなあと思わされます。
以上が作品の大まかな感想です。
1曲1曲の作風はかなり異なっており、まさに過渡期的な音楽性のアルバムと言えるでしょう。
(盲目であるがゆえのTHE)統一感がないといえばそれまでですが、僕は結構こういうバラエティに富んでいるアルバムは好きです。
どうしてもコテ系のアルバムって似たり寄ったりな曲が多くなってしまうので。
とにかく『白い君、黒い月』が神曲すぎるので、まずはこれを聴いていただき、気に入ったら購入されてはいかがでしょうか。
外出は自粛しても90年代ヴィジュアル系収集は通販などを使えば自粛しないで済むので、10万円の給付金をすべて注ぎ込みましょう。
それでは、さようなら。
〈おすすめ曲〉
3. 白い君、黒い月