悲観停止

幾千の星空の下 夜露は無情に光る

SUGIZO生誕半世紀おめでとうございます。『TRUTH?』の感想^ ^

君に出会えてよかった

君にずっと会いたかった

君に出会えてよかった

僕はこの愛を知らなかった

眩しすぎて……

 

SUGIZOさん、50歳の誕生日おめでとうございます。

 

LUNA SEAのメンバーでも1歳年長の彼は一足お先に50代に突入ということで、これからも最高のソロワークとLUNA SEAX JAPANのギターを聴かせて欲しいですね。JUNO REACTORは?)

 

本当は記念すべきこの日に中野サンプラザにて、誕生日を祝われるのが好きではない彼が満を持して放つ生誕ライブがあるわけですが、諸事情(ヒント:90年代V系のCDの買いすぎ)によりいけないので、せめてものお祝いとしてこちらの作品の感想を書いていきたいと思います。

 

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SUGIZO『TRUTH?』

1. LUCIFER

2. THE CAGE

3. KANON

4. EUROPA

5. Le Fou

6. BEAUTY

7. CHEMICAL

8. EIN SOF

9. MISSING

10. SPERMA

11. KING OF BLUE

12. Femme Fatale

13. DELIVER...

14. A PRAYER

15. LUNA

 

SUGIZOソロ作品の記念すべき1stアルバム。

1997年のLUNA SEA活動休止以降、メンバーはそれぞれソロ活動で自身の音楽を探し始めたわけですが、RYUICHIが本名の「河村隆一」に戻り、唯一無二の音楽を探し当て、作りあげたアルバムの名は『Love』、人間の体の中心部にLoveという要素が不可欠であることを証明したり、真矢が椎名へきるとコラボしたりよくわからない方向に向かう中、堅実に自身のロックを追求していた弦楽器隊の中で、特に異質な雰囲気を放っていたのがSUGIZOでしょう。

 

1stシングル「LUCIFER」から電子音楽SUGIZO節のギターの融合という、激ヤバな世界観でLUNA SEAのリスナーをおいてけぼりにした彼のソロ活動の初期の集大成とも言えるのが今回の作品である「TRUTH?」です。

 

1. LUCIFER

まずはいろんな意味でよく知られているこちらの曲。

エレクトロニックなビートとSUGIZOのエッジの効いたギターがマッチした、まさにSUGIZOソロミュージックを代表するこちらですが、賛否分かれるのは彼のナヨナヨボーカルでしょう。

お世辞にも高いとは言えない歌唱力で「る〜しふぁあ〜」と歌い上げるのでいろんな意味で90年代V系っぽさを感じられずにはいられませんが、この絶妙なポンコツ加減が訓練された90年代V系リスナーにはたまりません。

完成されたサウンドにヘロヘロボーカルが乗ることで、単なる電子音楽とは違う人間性というか、唯一無二の世界観を作り上げているように感じられてなりません。

 

2. THE CAGE

ドラムンベースのビートと、SUGIZOらしいキレのあるカッティングリフのループが特徴的な作品。

歌モノである前曲と比べたらかなり聴く人を選ぶと思いますが、ボソボソと喋るSUGIZOの語りや、やっぱりアレなボーカル、途中で挿入されるバイオリンがヴィジュアル系っぽさを残しています。

 

3. KANON

個人的に特筆したいのがこの曲。

PortisheadとかMassive Attackあたりの90年代トリップホップをフィーチャーし、LambのLou Rhodesがボーカルとして参加しているあたりガチ度が伺えます。

浮遊感がある中でもどこか寂れたような、退廃的なイメージを感じさせる楽曲構成で、SUGIZOのギターは最後以外控えめですが、彼の個性が感じられる名曲だと思います。

オススメ。

 

4. EUROPA

どことなく後年のLUNA SEAの名曲「HOLY KNIGHT」を彷彿とさせるイントロ。

こちらもトリップホップな感じの曲で、ジャジーなシャッフルビートとアップライトベースのリズムが心地よく、そこにクリーンのアルペジオがループしている曲です。

途中からサステインを効かせたギターが入ってきたり、ループしていただけのアルペジオと思いきや抑揚をやフレーズの変化で感情を露わにしてきたりと、聴きどころの多い作品。

 

5. Le Fou

フランス語で"狂気"的な意味合いをもつこの曲ですが、イメージとしては広大な海を感じさせるアンビエント調の作品です。

ディレイを効かせたアコギのフレーズがループする今作は、のちのSUGIZOソロアルバム『ONENESS M』に収録されている『光の涯』に楽曲の世界観が受け継がれていると感じます。

潮の満ち引きのようにクレッシェンドとデクレッシェンドを繰り返すギターと、イルカの鳴き声のようなバイオリンが涙を誘います。

 

6. BEAUTY

最初はインダストリアルなビートにラップが乗るヒップホップ調の展開。

中盤からブレイクが入り、お馴染みとなったSUGIZOのコーラスが入ります。

単なるヒップホップ楽曲と一線を画すのは、トラックに乗っかるどこまでも人間的なギターのフレーズでしょう。

 

7. CHEMICAL

前曲に比べてよりインダストリアル的な激しさが増した雰囲気ですが、この曲のドラムは真矢のものがサンプリングされています。

そこに和の雰囲気とドラムンベース的ビート、ディストーションがかかったギターが融合することで、まさに”化学反応”が起きているわけですね(上手いこと言った)

 

8. EIN SOF

女性による英語での語り。

ヴィジュアル系英語リスニング教材として最適です。

 

9. MISSING

のちのソロアルバム『TREE OF LIFE』で『MISSING LINK』としてリメイクされる曲ですね。

ここまでたどり着いても安定しないSUGIZOのボーカルを誰も助けてくれない……

この曲のベースラインがめちゃくちゃ好きなんですよね。ビートとギター、主旋律の間を埋めるようにウネウネと動くフレットレスベースの低音が最高です。

リメイク後ではSUGIZOのお歌がバイオリンに代わり、ギターのリフもよりクリアになって聴きやすく、楽曲の全体的なクオリティが爆上がりしているので、そちらから聴くのもオススメです。

 

10. SPERMA

"精子"を意味するこちらの曲ですが、まさに性行為で絶頂する様を楽曲で表現しているのではないでしょうか。

情熱的に鳴り響く管楽器やウネウネと動きまくるベース、全体的な調和をガン無視して暴れまわるドラムがカオスに入り乱れ、最終的にクリーンのアルペジオで締める様は、ベッドの上で情熱的なセックスをし、最終的に賢者タイムになる様子を表しているように感じました。

まあ童貞なんで、全部想像なんすけど……

 

11. KING OF BLUE

ドラムンベースのビート上で情熱的な音を奏でるトランペットと、これまた情熱的なギターが交互に鳴り響くめちゃくちゃかっけえ曲。

まるでバトルしてるかのような雰囲気に圧倒されます。

バチバチにバカテクなフレーズ同士で闘いまくり、ボルテージがどんどん高まっていくのが最高ですね。その裏でなっているのはあくまで無機質なビートという対比も素晴らしい。

 

12. Femme Fatale

こちらも外国人女性による語り。

ヴィジュアル系フランス語リスニング教材として最適。

 

13. DELIVER...

はじめはボサノバ調の聴き心地のよい展開。ベースがいい味出してます。

中盤から、インダストリアル調の激しいビートやら、SUGIZO節フルスロットルのギターソロが乱入してくるジェットコースター的展開になり、ムチャクチャなミクスチャー音像が脳内に刻みこまれます。

全てがギリギリのバランスで神曲に仕上がっていますね。

 

14. A PRAYER

どこかDEAD ENDみを感じるミドルテンポの歌モノ。2ndシングルです。

SUGIZOのボーカルもここまでくれば慣れたモノです。

サビで転調する感じが彼なりのポップスを表現しててめっちゃいいですね。

ベースの音がメチャクチャデカイのが90年代V系っぽい。

 

15. LUNA

アルバムのラストを飾るのは、彼の娘の名前を冠したこの曲。途中娘の喃語でしゃべる声もサンプリングされています。

いわばSUGIZOの「人間宣言」的な曲で、それまでの電子音楽性はほとんど排した、人間的な温かみを感じる楽曲です。

伴奏も非常にシンプルであり、子守唄のような優しさを感じられます。

娘に対する深い愛情をストレートに語りかける歌詞が、拙いながらも優しく、眠る我が子に歌って聞かせるように展開されていくので、あまりにも「父親」感が出てて涙が出ます。

それまであんなに高度な電子音楽とロックの合わせ技でかっこよく見せてきたのに最後の最後でこれは反則でしょう。

 

 

SUGIZOの根底にある表現テーマに「宇宙」があると思いますが、このアルバムはそのテーマを当時の彼なりに反映した作品になっていると思います。

宇宙というのはどこまでも暗く広く、無機質な空間ですから、電子音楽の要素でそれを表現するのは最適な手段だと思いますし、一方でどこまでも人間的であるギターフレーズや、語り、『LUNA』のような温度を感じる曲があることによって、無機質な宇宙の中で生きている人間を対比的に置いてるように思えます。

それらによって、包括的に”宇宙”を音楽で表現しているような気がします。

彼自身によるナヨナヨボーカルも後者の表現に一役買っていると思いますね。意識してやっていたことではないと思いますが。

 

彼の宇宙的音楽表現は、現在20周年を超え、彼が50歳になってもなお進化し、どこまでも広がり続けているんだなあと思います。

 

この作品は、そんな彼のソロ音楽の”ビッグバン”的な位置づけの作品だと言えます。

 

SUGIZOはマジでワーカーホリックなので、どうか身体に気をつけて、グルテンフリーかつベジタリアンな感じでよろしくお願いします。

 

あとX JAPANの活動もマジでお願いします。

 

《おすすめ曲》

3. KANON

 

Truth?

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  • SUGIZO
  • エレクトロニック
  • ¥1900

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