ホントに名盤だからマジで聴いてほしい。Ray「EVER SEEN」^ ^
みなさんは、90年代V系のCDを買うときにまずどこにいきますか?
うん、うん、そうですよね。
ブックオフの280円コーナーの「た行」と「ら行」ですよね。
90年代V系のバンド名は、とにかく「D」とか「L」とか『R」で始まるものが見受けられるので、そのあたりを狙ってまず「た行」と「ら行」の棚を見ることが多いです。
280円コーナーで買えるV系のアルバムには、時折尋常ではないレベルの名盤が紛れ込んでることもありますが、今回はその中でもこちらの作品を紹介したいと思います。
Ray「EVER SEEN」
1. Scene
2. Tear
3. Believe
4. Regret
5. Alive
6. Missing...
7. Sky
あの伝説のヴィジュアル系バンド、D≒SIRE、JILSなどの中心人物であった藤田幸也氏率いる最強のヴィジュアル系レーベル、Kreisに所属していたバンドです。
彼らのレーベルの中でも突出して白系の世界観を押し出していたバンドで、爽やかな曲調と泣きメロが最高です。
Vo.とBa.はのちにCUNEとして活動するRYO-亮-氏とTAIZO-泰造-氏、ギターはのちにWaiveやソロ活動で活躍する杉本善徳氏が在籍していました。
このバンドそのものというよりは、前述のバンドのメンバーがもともとやっていたバンド、として認識されている方もいらっしゃると思います。
そんなRayがデモテープとかオムニバス参加作品を除けば唯一世に残したミニアルバムが今回の「EVER SEEN」です。この作品がホンンンンンンンンンとに最高なんですよ。
ちょっとでもこの作品の良さが伝わればと思います。
1. Scene
開幕SEはピアノと打ち込みのリズムが特徴の、神秘的な1曲。
階段状のピアノのアルペジオに切なげなシンセが乗る感じは、東方project原作のタイトル画面で流れてる曲を彷彿とさせます。
開幕SEは飛ばしてしまいがちなアルバムも多いですが、この作品はしっかりと聞きごたえがある気がしますね。
2. Tear
はい、出ました。神曲。
正直この曲を紹介したいから今回の記事を書こうと思ったと言っても全く過言ではないです。
白系の爽やかさと切なさを併せ持つドラマティックなイントロから始まり、ハイトーンで悲しく歌い始める失恋ソング……
この曲のどこが神曲かというと、Bメロから怒涛の泣きメロ展開がとめどなく押し寄せてくるところなんですね。
Bメロがサビかと思ったら、そこから畳み掛けるようにサビが続いてきます。
気づいたら慟哭してました。
聴いているこちらも、込み上げてた涙の雫が音を立ててしまいます。
このまま趨勢に埋もれてしまうのは惜しい、8億枚売れててもおかしくない、そんな世紀の大名曲。
3. Believe
そんな世紀の大名曲に続くこちらも最高。
例えるならば、より切なさを強調し、白系の雰囲気にしたMOTHER期のLUNA SEAと言った感じの曲。
疾走感のある演奏と、澄み切った青空みたいな奥行きのあるサウンドがたまりません。
前曲よりもロックとしてのカッコよさを感じられるのでこちらもオススメです。
4. Regret
ミドルテンポでよりドラマティックな雰囲気を出してくる神曲。
Aメロ〜Bメロでしっとりと聴かせてきて、サビで一気にメロディアスさを解放してくるので、サビ前とサビのコントラストが大好きなV系フリークの皆さんは涙を禁じ得ないこと間違いないでしょう。
歌謡曲の要素をうまく白系のV系サウンドに落とし込んでいる点が大変お見事だと思います。
最後の「ランラララン…」のリフレインがROUAGEの「Creation-審判-」っぽい。
5. Alive
悲しいピアノのメロディから一点、疾走感のある哀愁にあふれたイントロが始まります。
今までの曲の中では一番ソリッドなサウンドになっており、大変かっこいい。
そのサウンドにカッコイイサビのメロディが乗るのでこれまた聴き心地が非常によいです。サビ後のカッティングがお気に入りです。
ラストサビにギターソロが裏で鳴ってる曲はだいたい名曲という法則がヴィジュアル系物理の教科書に載っていることは周知の事実ですが、それに違わぬ名曲です。
6. Missing...
こちらはメインギターリフでメロディを弾くタイプの正統派90年代V系叙情疾走曲。
彼らはスタンダードなヴィジュアル系の楽曲を作らせても最高なんですねえ。
サビのリフがちょっとLUNA SEAのROSIERのイントロのリフに似てるかな〜って感じですが、そこもスルーできるぐらい曲としてカッコイイので無問題です。
7. Sky
今作の中で一番歌謡曲要素が強い曲です。
ドラムのビートなんてモロ80年代のポップスを彷彿とさせるものだし、女目線で書かれた歌詞の哀愁の漂い方が完全に演歌のそれです。
ボーカルもその雰囲気に意外と調和していますね。氷川きよしに歌ってほしい。ヴィジュアル系好きらしいし。
作品作りの引き出しの多さに感嘆させられながら、あまりにも濃密な28分間は終了……
この作品はマジで、ブックオフの280円コーナーで買える名盤ランキングベスト3には食い込んでくると思います。
他はこの辺↓
ソフヴィの爽やかさと疾走感、歌謡曲の哀愁漂う美メロを高い次元で融合し、比較的しっかりとした演奏と歌唱で表現している大名盤。
是非中古屋さんで投げ売りされているのを目にしたら、救い出してあげてください。
こうした名盤が忘れ去られないためには、この記事を読んでくれたあなたの力が必要なのです。
SAVE SYRIAならぬSAVE 90s Visual-Kei。
〈おすすめ曲〉
2. Tear
お願いだから今すぐ聴いてください。