悲観停止

幾千の星空の下 夜露は無情に光る

蘭図「Inferiority Complex & Narcissism」は90年代好きに刺さる名盤^ ^

 

今回は真面目にCDの紹介をしていきます。

 

僕も真面目にできるんですってところを見せつけていかないといけないですからね。

 

今回紹介するVIJUARU-KEIのCDはこちら。

 

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蘭図「Inferiority Complex & Narcissism」(2019年)

 

1. Inferiority Complex

2. Phalaenopsis

3. Deep Inside

4. Lolita

5. Mother

6. 神経衰弱

7. 炎舞

8. Narcissism

 

AvelCainの業氏が2年ぶりに結成した、今年デビューしたばかりの出来立てホヤホヤの新バンド、蘭図。

 

その1stライブの際にリリースされ、その後配信されたこのアルバムは、われわれ古代VIJUARU-KEI考古学者の度肝を抜くとんでもない作品で、局地的な話題になったことは記憶に新しいです。

 

どの辺がやばいのでしょうか。

さっそく見ていきましょう。

 

まずVIJUARUからしてやばいです。

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https://twitter.com/old_school_vk/status/1047793535120900097

twitter.com

そう、90年代V系有識者でも見紛うほどの、あまりにも、あまりにも過ぎるその見た目。

今まで90年代後半のコテ系にインスパイアされたバンドは数あれど、この形でのリバイバルは中々斬新なのではないでしょうか。

そして蘭図の真髄はアルバムの中身にあるのです。

 

1. Inferiority Complex

一聴すると、ピアノ主体のフツーな導入SE。

まあ90年代リスペクトとはいえ、このぐらいなら特に驚く要素は……

と思いきや

「あれ?どこかで聞いたことがある雰囲気だぞ?」と気づく方もいらっしゃると思います。

そうです。この曲、黒夢の迷える百合達1曲目「開化の響」に似ているんです……

この事実に気づいた方ならわかるはずです。このアルバムはただの90年代リスペクトアルバムではないことに……

 

2. Phalaenopsis

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

な、なんだこの神曲は……開始3秒で慟~どうこく~哭してしまった。

リードギターによる泣きのメロディーがあまりにもキャッチーかつセンス豊かで、

アコギをフィーチャーした哀愁漂う疾走感……AvelCain時代よりさらに癖の強くなったボーカルがこの曲を尖ったものに変えています。

たしかにこれは90年代中盤の名古屋系のポップなメロディアスナンバー……

インタビューによれば、胡蝶蘭を意味するこの曲は、業氏の初めての作曲とのこと。

彼の中で蛾(phalaena)はコンプレックスの象徴であり、蝶はナルシズムの象徴で、この曲はバンドそのものを表しているそうです。

 素晴らしい。これだけで買う価値があると断言できます。

これを聞かずに命を終える国民がいることがもったいない。

ラジオ体操第一とかの代わりに流すべき。

 

3. Deep Inside

ンチャーッチャッチャッチャッチャと刻まれるシンコペーションを多用したカッティングフレーズ、ツタツタと突撃する2ビートのドラム、まさに90年代の教科書的作品。

ギターの拓也氏のプレイングから、LaputaのKouichiの影響が感じられますね。そんな人現代日本にまだ生き残っていたんですね。国を挙げて天然記念物として保護すべきでしょう。

90年代リスペクト楽曲としての目新しさはあまりありません(cali≠gariの脳核テロルなどですでに聞けるため)が、アルペジオのフレーズがエモくて最高。

サビ後のシャウトが某夢の某愛なる某スマスクの「CUT RELATION」に影響をもろに感じられます。

前曲から流れで聞ける、とても聞きやすい曲。

 

4. Lolita

コンプレックスの一つを表現した曲。

「なあロリータ、君をください」などと、路上で実際に幼女相手に言おうものなら即刻逮捕死刑確定が間違いなさそうな激ヤバなリフレインが、ダークなバッキングと相まってドロドロとした世界観を構成しています。

サビではやはり卓越したメロディーセンスが炸裂するので、犯罪的な歌詞も相殺されて無罪放免です。

90年代V系は法律より強い。

 

5. Mother

黒夢の迷える百合達で言えばAimed Blade at Youなどのポジションにあたるバラード。

スラップを交えたベースラインは単なる90年代リスペクトだけじゃないところを感じさせますね。

っていうかどの弦楽器も音作りが90年代すぎるんですよね。

もちろん音質は現代の水準に達していますが、いったいどうやってサウンドメイキングをしているのでしょうか。

現代によみがえったロストテクノロジーですね。

 

6. 神経衰弱

出だしが黒夢のNeo Nudeだこれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 
 

まあそれは置いといて、この楽曲もベースが多彩なフレーズで盛り立てていて面白いですね。

 

7. 炎舞

 優勝。

2曲目とは打って変わってより初期の黒夢などを彷彿とさせるハードコアに寄せた攻撃的ナンバーでありながら、フレーズのエモさや泣きのメロディーが同居した稀代の傑作。

ギターリフなんてトレモロリフに限りなく近いレベルであり、一瞬ブラックメタル神曲かと勘違いしました。

最後に語りも入って最高の盛り上がりを見せて最後まで走り切りますね。

しっかりと自分たちの美学(コンプレックスから生み出されたナルシズム)を彼らの好きな名古屋系のフォーマットで、確かな技術によって説得力を持って伝えてくる力があります。

この曲も必聴。

 

 

8. Narcissism

 余韻を残しつつ、ピアノ主体のSEで締め。

決して開化の響-Reprise-に似てると思ってはいけません

 

 

 

AvelCainといえば、90~00年代の音楽性を「メンヘラ」という近年のV系の枠組みの中で表現してきたバンドというイメージが強かったですが、この作品を聞く限り、蘭図は彼らの美学、好きな音楽をより前面に押し出してきたという印象を受けました。

 

それに大きな影響を与えたのが初期~メジャーデビュー直後の黒夢ということでしょう。

 

10年代のV系ファンにも、90年代を追い求めるわれわれ考古学者にも、今年最重要と呼べる作品が年明け早々出てきたことはとても喜ばしいことです。

 

かなり癖のあるボーカルではありますが、そもそもAvelCainのファンなら気にならないでしょうし、90年代考古学者もちょっとやそっとの癖の強さなら一ミリも意に介さないと思うので、ぜひ聞いてみてください。

 

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

<おすすめ曲>

2. Phalaenopsis

youtu.be

PVも本当に最高。