かりがり🌙
前回のブログで完全に今年最後感を出してたのに、フォロワーに煽てられて今これを書いています。
オタクはやるときとやらないときが極端。
さて、本日紹介するCDはこちら。
cali≠gari『第5実験室』
1. 「第5実験室」入口
2. ゼリー
3. 歪んだ鏡
4. カラス
5. ドラマ「せんちめんたる」
6. せんちめんたる
7. はにかみ屋の僕
8. 月夜の遊歩道
9. 37564。
10. 弱虫毛虫
11. 冬の日
12. 「依存」という名の病気を治療する病院
13. 「第5実験室」出口
来週、最新アルバム「14」のリリースが控えているベテランにして唯一無二の個性を持つヴィジュアル系バンド、cali≠gariの実験室シリーズ第5弾、インディーズフルアルバムではリマスター等を除けば3枚目になります。
メンバーは所謂第5期(青さん、秀児さん、研次郎さん、誠さん)で、せんちめんたると月夜の遊歩道は前任の克弥さんが叩いています。
「奇形メルヘン音楽隊」と呼ばれていた時期の作品で、アルバムのボーカルを秀児さんが務めている最後の作品ですね。
まあ基礎知識はこの辺にして、曲の方を見ていきましょう。
1. 「第5実験室」入口 は最近めっきり見なくなったいつもの足音+ドアを開ける音のSE。cali≠gariのアルバムが始まったぞって感じがしますねえ。他の実験室シリーズのSEとの違いが正直あんまりわからないんですが、アルバム毎に作り直したりするんですかね?
2. ゼリー は詞・曲共に青さん作で、cali≠gariにたまに入ってるジャジーな曲。歌詞は韻を踏みながらラップのごとく淡々と進行する感じ。まあなんか「人生はクソ!」って言ってる気がします。多分。「狂人追いやすく核去りがたし」はパワーワードですね。
3. 歪んだ鏡 は詞・曲共に秀児さん作。PVも製作されていますね。超ダークな激鬱サウンドに耳が持ってかれてしまうので、歌詞カードを見て「あっ、意外とEMOい失恋ソングだ」って気づいたのを覚えています。途中の喘ぎ声が非常にキモいので神。
4. カラス は、詞:秀児さん、曲:研次郎さん。ベースラインが聞いてて気持ちいですね。コピーしようと思ったら死ぬほど難しいですが。8ビートで進行していくcali≠gariには珍しい気もする曲です。歌詞は秀児さんお得意の電波感溢れる自己批判。
5. ドラマ「せんちめんたる」は、みんな大好き「午後の密室」のお時間。ドラマ「君の咲く山」とかに比べるとヤバさは控えめですが、火事が発生し、「関係者の一部には一生消えない傷を残した」との内容が伝えられることで、うまく次の曲に繋げている役割を果たしていますね。
6. せんちめんたる は、この時期のcali≠gariお得意の、無茶苦茶な歌詞をめちゃめちゃキャッチーに歌い上げるキラーチューン。火事で焼死した屍体に興奮して【禁則事項です】しちゃったみたいな感じにぱっと見の印象は思いますね。「ケロイドで製作した花嫁衣装を着た僕」って、焼死体の皮膚をはがして自分にくっつけてるの?とか、焼死体が腐乱したところに興奮してるの?とか、あまりにもグロテスクな方向に解釈することも可能。一方で、せんちめんたる→傷心=焼身と連想できるところから、放火で大切な人・物を失くした「僕」の復讐歌で、前のドラマと関連してマスコミ報道によって小さな事件が「成長した腐乱」になってしまい、「どこもかしこも厚化粧をした日常で
きれいに隠れたこの町に火をつけよう」→事件を隠し、知らん顔する人々に「目には目を歯には歯を」で自分が放火して、それを見て「あの日、あの時、あの場所で真っ赤に燃えた思い出にせんちめんたる咲き乱れ」てるんじゃないかとか。まあいろいろ妄想のしがいがある歌詞ですよね。僕はSound Horizonのオタクなので、こういう歌詞考察みたいなのは大好きです。
7. はにかみ屋の僕 は、詞・曲ともに秀児さん。アカペラにハンドクラップというあまりにもシンプルな楽曲。秀児さんの電波的世界観の極致とも言える激ヤバな曲で、クスリキメながらレコーディングした?っていうぐらい狂気的な雰囲気が出ていますね。だんだん手拍子と歌がズレてくるあたりとかマジで怖い。
8. 月夜の遊歩道 は、詞:秀児さん、曲:研次郎さん。自己批判的な歌詞の途中に「神憑りだ!!!!!!」とか「僕は選ばれた人間だから!!!!!」とか急に叫びだすし、スラップを多用した踊るようなベースラインと相まって非常にルナティック。1曲ルナフェス状態。ちなみにサビの一部が夏の日のサビと一致しているのですが、僕は耳が素敵に成長した腐乱なので一昨日辺りまで気づきませんでした。
9. 37564は、定番曲とも言える低偏差値全員殺戮津山三十人殺しシリアルキラーナンバー。何気にベースの暴れ方がえげつないんですよね。歌詞の内容とか曲の内容は語ることがないので、「18782(いやなやつ)+18782(いやなやつ)=37564(みなごろし)」になるという、ひねくれた小学生が連呼してそうなトリビアをご紹介させていただいて、次の曲参りましょう。
10. 弱虫毛虫 は、詞:秀児さん、曲:研次郎さん。この曲ですね、
俺の人生のテーマソング
なんですよね。
初めて聞いた時、「僕の惨めな人生そのものじゃん」ってなって本当にボロッボロ泣いてしまって……
世間体とか、期待される自分とか、他人の評価とか、そういうことばかり気にしてきたので自己肯定感が育たず、いつでもどこでも実は狂いたい、狂ってしまえればどれだけ楽なのだろうかと、自分と重ねてしまって、ずっと馬鹿にされてきた人生を振り返っては涙してしまいました。
「いつか見てろ 今に見てろ いつか見てろ」はそんな周りに対するあまりにも情けない反撃の狼煙であり、何ができるわけでもないのに絶対に見返してやると思いながら今日も燻っている、そんな歌のように感じました。
これを聞いた人は「ダメ人間すぎる……」って印象を抱かれる方もいらっしゃると思いますが、僕には惨めな人生を送ってきた陰キャに対する応援歌のように感じました。
ライブで演奏されることは一生ないでしょうが、cali≠gariで一番好きな曲だと断言できます。
11. 冬の日 は、アルバム後半特有の詞曲青さんの激激激激EMO(イーモゥ)ソング。ミドルテンポでメロディアスなギターに、切なく、ノスタルジーを想起させる歌詞が涙を誘います。僕はこのアルバムのバージョンよりも再教育に入ってる石井秀仁さんver.が超好きですね。こういう優しい曲は彼のボーカルがよく合うと思うんです。「僕がまだ人だった頃」ってどういう意味なんでしょうね。僕は「人」という字は人が2人で支え合っているというところから、人で無くなった=ひとりぼっちになってしまったってことなのかな?って思っています。
12. 「依存」という名の病気を治療する病院 は、世紀の大名曲。これを初めて聴いた時、ちょうど自分のせいでしかない理由で失恋したばっかりで、この女々しく未練を歌い叫ぶこの曲を聴いて号泣してしまいました。
だってやばくないですか?
「寂しくなくちゃ知らないことも、傷つかなくちゃ知らないことも、
いっぱい、いっぱい、あったのに、
僕は見て見ぬ振りしてうつむき黙り、
寂しいのが嫌だとか、傷つくのが嫌だとか、泣き言ばっかりで、
謝る事しか知らなかった僕を、
心から「自殺しろ。」と願ったんだ。」
ですよ?
あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )
ってなるでしょ。そりゃ。
エモ〜〜〜〜〜〜〜〜っッッッッッ
クソみたいな失恋したオタクは全員聞いてください。そして僕と一緒に号泣しましょう。
13. 「第5実験室」出口は、ドアから出るSE。前曲を聞きすぎて、その流れでこれも再生してしまうので、cali≠gariの再生回数ランキングで上位に入ってしまっているのはみんなには内緒だ。
トゥデイズムラ村隆一ズポーイント、ドウルルルルルルパァーン 100~イエーイフゥーウ
100点でしかないです。狂気的なポップナンバー、アングラな電波曲、激EMOソング、cali≠gariのいいところがすべて詰まってる!!!!!!!!!
僕はcali≠gariを初めて聞いた時、「マグロ」だけ聴いて「ほ〜ん」ぐらいにしか思ってなかったのです。でも、ある日親切なcali≠gariヤクザがこれを貸してくれて、聴いてガチ号泣して自分で7000円ぐらい払って買ってしまいました。
今ではcali≠gariは3本の指に入るぐらい好きなバンドですが、そのきっかけになった思い出深いアルバムです。
cali≠gariって多分自分みたいに1曲だけ聴いて微妙だな……って思ってる方絶対いらっしゃると思うんですよね。彼らのいいところは楽曲のバラエティ性とそれらが組みあわさったアルバムの完成度だと思っているので、是非アルバムを通しで聴いてみて欲しいなって思います。
特にこの第5実験室は本当にオススメです。是非腎臓を売るなどして買って聞いてみてください。後悔はさせません。
新譜楽しみですね。
それでは、さようなら。